
|

 |
【田畑興介プロフィール】 Japs medical support Inc
代表取締役
19歳のころから治療業界に身を投じ、整骨院、病院勤務を経て会社を設立する。
通常の整骨院(1店舗)だけではなく、鍼灸整骨院の新しいカタチを目指して企業と 提携した整骨院を(6店舗)運営(2007年2月現在)。
大阪のみならず、名古屋市内でも企業と提携した整骨院を運営。
|
運動療法とスポーツ医学の分野でのセミナーや技術向上の支援を行っているNPO法人JPAA研究会では どのようなことが主に学べるのか?また、NPO法人JPAA研究会の活動だけではなく、企業と提携した 整骨院を運営している代表の田畑氏にJPAA研究会のこと、そして整骨院のことについてお話をうかがい ました。 インタビュアー/三宅修平 |
 |
 |
三宅 まず田畑先生の現在の活動内容について教えて下さい。
田畑 まず仕事はJaps medical
supportの代表取締役で、これは整骨院の 運営会社です。ここでは街中の整骨院が1店舗と、グンゼスポーツさん と提携している整骨院が6つで合計7店舗運営しています。 あとは、NPO法人JPAA研究会の理事として学術団体の活動をして います。他には道友協会(保険請求団体)の理事と専門学校の講師を 2つしています。
三宅 ものすごく多岐に渡りますね。では、JPAA研究会はどういう会で、また、 どんな活動をしているのか教えて下さい。
田畑 対象は柔整師、鍼灸師に限らず、PTさんとかマッサージ師さんとか とりあえず人の体に触れるセラピストと言われる人たちを対象にして活動 しています。ドクターや看護師さんが来られることもあります。
三宅 なぜJPAA研究会を始めたのですか?
田畑 もともとは以前勤務していた整形外科の勉強会が最初です。特に大きく しようというつもりはなかったのですが、自分の病院で勉強会をやっていると 話をしているうちに少しずつ口コミで大きくなっていきました。
三宅 治療に関する勉強会は他にもたくさんありますが、JPAA研究会が他の会や グループと違うところはどこですか?
田畑 私自身もよくJPAAで講演をするのですが、その時講演するにあたって参考 にしている文献も参加者の対象が広いわけですから参考文献も多岐に渡り ます。柔整師の雑誌というのがあまりないので使っている参考文献がPTや 整形外科のものになるので鍼灸とか柔整で働いている方にとってはいい 情報になっているのではないかと思います。
三宅 参加者の中には内容が難しいと感じる人はいないですか?
田畑 いると思います。
三宅 その点は皆さんどうされているのですか?
田畑 まず、勉強会がアットホームであることが信条なので、数回来てもらえば 徐々に慣れますし、質疑応答で手も挙げやすくなると思います。
三宅 2〜3回参加して、徐々に慣れてきて友達が出来たりもすると思います。 ただやはり治療家ですので何かを学びたいと思って参加すると思うの ですが、参加すると何が身に付きますか?
田畑 今の流れでは肩シリーズや肘シリーズという形で行っているのでシリーズを 通して来てもらえれば得られる物はあると思います。単発でもいいのですが 構成等を考えていますので続きで来てもらえればと思います。
|
 |
 |
三宅 先生の会社のスタッフの方々に講師役を積極的に勧めておられますが それはなぜですか?
田畑 まず治療家として役に立つからです。要するにプレゼンテーション能力が ついてこないといけないんです。患者さんというのは僕らと共通の言語と いうのは持っていないんです。でも勉強会だとある程度の知識のある医療 従事者同士なので話が早いんです。そういった場でプレゼンをして通じ なければ、ましてや患者さんには話が出来ないと思うんです。ですから 自分の考えとか思いがどれくらい伝わるのかというのを講演を通じて体験 してもらいたいということもあるし、どういう風に資料を作れば見やすいか ということからも学びがあるでしょうし、そうやって伸びて行ってくれれば いいなと思っています。
三宅 プレゼンテーションの活動をすることによってどういう面が治療家として プラスになりますか?
田畑 根拠を持って話が出来るようになるということですね。発表しようと思うと それだけ調べるわけですから。その時に使った根拠というのは患者さんに 対しても共通なんです。
三宅 先生がスタッフの方を見てJPAAでのプレゼンを経験した方は患者さんに 対しての接し方も上手になっていると感じますか?
田畑 それはありますね。
三宅 本人たちもそれを感じていますか?
田畑 感じるんじゃないでしょうか。自信になりますから。いずれにしてもほとんど の人たちは開業して行くと思うんです。そうなるとセルフプロデュースという ことが大事になってくると思うので、「あの先生はあそこで発表した」という ことも大事でしょうし、発表したということも自信になると思います。そういう ことってオーラじゃないですけど患者さんにも伝わると思います。
|
 |

 |
三宅 今セルフプロデュースという言葉が出てきましたが、今これだけ治療院が あると患者さんもどこがいいのか迷うと思いますが、セルフプロデュースで 大事なことは何ですか?
田畑 対外的なことというのはあまりやらないんです。
三宅 広告ということですか?
田畑 そうですね。外向きに何か発信するというのはグンゼさんにお任せして あります。
三宅 では、提携していない場合はどうやって最初のセルフプロデュースを したのですか?
田畑 プロデュースに繋がるかもということですが、地域の奉仕活動に行き ました。空手の大会の救護班とか、中学校の講演などです。このこと 事態は宣伝ということもありますが、業界全体の啓蒙ということも思って いました。
三宅 今後も新規で出店される時はそういった奉仕活動をされますか?
田畑 はい。戦略も含めてですが、僕自身がそういう奉仕が好きということが ありますから。
三宅 そういう活動をしていると自然と広まっていくということですか?
田畑 それもセルフプロデュースだと思うんです。奉仕に行ってダラダラして いるとマイナスに働きますから。ですからそういう姿を従業員も見て くれています。企業としてはCSRというものがあります。企業の社会 貢献ということですね。いろいろ勉強しているとCSRに力を入れている 企業というのは伸びています。
三宅 それはなぜだと思いますか?
田畑 利益は追求するけれど、得た利益をどう使うかという事を従業員は 見ていますから、それを社会貢献に使っていたらもっと頑張って、もっと いいことに使って欲しいと感じると思うんです。それにもともと医療という のは「業」としてお金が儲かるに越したことはないですが、業種自体が 社会貢献という部分があるし、そういう気心がないと伸びて行かないと 思うんです。
三宅 では、JPAA研究会は治療業界においてどんな役割を果たしたいと お考えですか?
田畑 病院勤務をしていた時「俺は他とは違う」という思いがあって天狗に なっていたんです。当時は鍼灸・柔整業界が嫌で愚痴ばかり言って いました。でも30近くになった時愚痴ばかり言っている自分を客観視 すると格好悪いなと思ったんです。「自分は違う」からといってじゃあ 周りを放っておいていいのか?と思ったんです。愚痴ばかり言うのなら 何かアクションを起こそうと思ったんです。その発展形がJPAAなんです。 柔整に関して言うと、公の生涯教育制度とJPAAの勉強会の単位の 互換性を持たせられるようにしたいなと思います。
三宅 教育の面において業界に貢献して行きたいということですか?
田畑 JPAAに関してはそうですね。
|
 |
三宅 整骨院についてお聞きします。現在、治療業界は競争が激しくなってきて いますが、この傾向を田畑先生はどう捉えていますか?
田畑 資本主義の世の中なので、多くても少なくても競争はしないといけません。 ただ、数が少なくても、増えてもいい先生のパーセンテージは同じだと思い ます。そのいい方にどれだけ入れるかだと思います。
三宅 誰しもそのいい方に入りたいと思うのですが、では、そうなるためにはどう すればいいですか?
田畑 まず、本当にそうなりたいと思っているかということではないかと思います。 業界としては憂いでる人は多いですが、一歩踏み出している人は少ないと 思います。例えば、「団体が助けてくれるのでは?」と思っていたり、また、 「厳しいな」で終わっている人も多いと思います。「団体が何かしてくれる だろう」と放っておくのか、自分で何か動き出すのか?何もせず憂いで いても誰も助けてくれないと思います。
三宅 憂いでいる人の中にも何をしたらいいのか分からないという人もいると 思いますが、そういう場合は何から始めたらいいですか?
田畑 本文は治療なのでまずは学ぶことではないでしょうか。
三宅 何を学べばいいですか?
田畑 とりあえず学問だと思います。
三宅 解剖とか生理ですか?
田畑 そうですね。そこからどれだけ気づくかだと思うんです。「起始と停止は こうだ」で終わるのか、明らかに患者さんに「ここに筋肉がこういう風に ついているから痛くなるんです」と言えるかどうかだと思うんです。
|
 |
 |
三宅 では、治療技術を身に付けるためにはどうすればいいですか?
田畑 仮説・検証作業だと思います。自分で仮説を立てて、ここと思う組織を 見つける。組織が違えば治療法方も異なります。ですから仮説を立てて 予後の評価をして行くというのが一番の近道だと思います。これをやって いくことで自分のデータベースが増えていきます。
三宅 では治療技術の精度を上げるためにはどうすればいいと思われますか?
田畑 一番多いパターンは仮説を立てて、検証をして、全然効果がなかったと するとその効果が出ないままでずっといるケースがほとんどだと思います。 面倒ということもあるかもしれませんし、再評価をしても変わっていないと いうことが患者さんに分かる恐ろしさもあると思います。でもそれというのは 患者さんに対して申し訳ないことなんです。貢献に対してお金を対価として もらっているわけですから。また、そういうことはいずれ自分にも跳ね返って 来て、「治らない先生」と言われるようになります。だから仮説と検証を 繰り返すしかないんです。
三宅 では、治療技術以外に必要なことは何だと思われますか?
田畑 平たく言うとリスペクトですね。患者さんを尊敬しているということです。 僕は今38歳なんですが、でも、僕が診させてもらっている患者さんは自分 より圧倒的に年上の人が多いんです。先生と言われていますが、患者 さんの方が先に生まれているわけですから、医療人である以前の問題 ですが、最低限必要なことだと思います。
|
 |
 |
三宅 現在、企業と提携して整骨院を運営しておられますが、なぜ提携しようと 思ったのですか?企業と提携することにより学んだことがあれば教えて 下さい。
田畑 最初から今のスタンスだったんです。企業と提携してやるというのが僕の スタイルに合っているんです。
三宅 スタイルとは?
田畑 街中で一人で開業して一つの箱の中に入るというのが無理なんです。
三宅 みんなで何かやりたいという事ですか?
田畑 そうですね。最初は老人ホームと提携していたんです。老人ホームと 提携するとなると医療従事者だけの知識では無理なんです。相手は社会 福祉法人であったり、株式会社であるわけですから、まず名刺の渡し方 から覚えないといけないんです。だから提携して行く中で同じ鍼灸・柔整師 とは違うスキルを身に付けていくことが出来るだろうなと思ったんです。
三宅 競争の厳しい現状において開業をためらったり、運営が困難になっている 方もいると思いますが、そういった場合まず何からすればいいと思われ ますか?
田畑 ためらっている人はもし周りにいれば自分の会社に入れますね。まず 入れて、その人のスキルに見合うポストを与えて、人とお金の管理の 仕方も教えます。
三宅 例えば廃業してしまった人を再生させる自信はありますか?
田畑 それはその人によります。
三宅 ではどんな人なら再生できますか?
田畑 これも仮説、検証で、廃業の理由を「場所が悪かった」とか他のせいに している人はダメでしょうね。うちに来て自分がダメだった理由を仮説を 立てて検証できる人なら多分再生出来るでしょうね。
三宅 JPAA研究会について再度うかがいますが、どんな方に参加して欲しい ですか?
田畑 学生さんにも来て欲しいですし、先程話に出た下降気味の人にも来て 欲しいですね。来ればすぐ儲かるとういわけではないですが、自分の モチベーションを上げるきっかけにはなると思います。一つ好転すれば 変わっていくと思います。それと参加者同士で話せば情報交換にもなると 思います。
三宅 最後になりますが、JPAA研究会に興味を持っておられる方や、今後、 JPAA研究会に参加してみようと思っている方へ何かメッセージをお願い します。
田畑 ますますいい内容を用意してやっていきたいと思っています。今は身内の 講師が多いですが、外部からお金を払って色々な方に来てもらいたいなと 思っています。 今はまだないですが、今後認定証を作って、これだけ学びましたという 証拠が残るようにして行きたいですね。 |
 |
| 【編集後記】 |
|
インタビュー終了後、「もっとこの先生の事を知りたいな」と思いました。 引き出しが多いというか、聞けば何でも答えが返ってくる。その答えが また人情味あふれる答えで私の心にも「グッ」ときました。
ご本人も仰っていましたがとにかく「人が好き」ということなので、こういう 先生が経営している方の会社で働ける方は幸せだろうなと感じました。
会社経営者としてのビジネスセンスと、治療に対する志の両方を高い レベルでお持ちの先生でしたので、両面からの面白いお話を聞くことが 出来て大変充実したインタビューでした。
責任編集/三宅修平
|
 |
|